IntelligentFMAの開発

1.研究目的

 FMAとはFig.1に示すように指のような屈曲変形が可能な、空圧アクチュエータの一種である。構造材料がゴムであるため非常に柔軟な特性を有しており、接触対象物を傷つけにくい特徴を有する。しかし従来使用されるセンサを使用すると変位の検出が困難であり、フィードバック制御の適用が不可能であった。そこで本研究ではFMAに柔軟変位センサを作製することによって変位センサ一体型のFMAを作製した。

2.柔軟変位センサの作製

変位センサは導電性塗料をゴム表面に塗布することによってFMA表面に柔軟な歪ゲージを作製している。FMA表面が伸張した際に生じる抵抗値が変化を検出することにより変位を測定する。FMA表面に対する導電性塗料の精密な塗布・パターニングを行うため、インジェクションシステムを使用した。インジェクションシステムは空圧によって塗料をノズルから定量吐出しながらノズルを移動させることによって塗料の塗布を行う装置である。FMAに対する塗布はFig.3に示す曲面塗布ジグを作製することで実現している。

インジェクションシステムを使用し作製したセンサをFig.4に示す。FMAの外周に3つのセンサを作製しているため、全方向への変位を検出することができる。

4.FMAのフィードバック制御

 作製したセンサを用いて、FMAのフィードバック制御を行った。位置決め性能を測定するため、指令値をパルス状に与えFMAの先端位置を測定した。結果をFig.6に示す収束までの時間が5秒程度と遅く、改良の余地があるが、繰り返し指令値を与えても同じ値に収束しており、十分な繰り返し位置決め精度が得られていることがわかる。

5.まとめ

 インジェクションシステムを使用し、FMA表面に柔軟変位センサを作製することによって、FMAの変位検出を可能にした。これによりFMAのサーボ制御が実現され、実験より、十分な位置決め精度が得られていることが確認された。今後は様々な塗布パターンを試みることで、センサの検出範囲及びセンサの測定精度の向上を図る。

3.センサ特性測定試験

 作製したFMAをオープンループ制御によって駆動し、無外乱時における先端位置の変位に対するセンサの抵抗値の変化を測定した。結果をFig.5に示す。2次曲線形状となっている原因はFMAの変形特性にあると考えられる。線形近似による決定係数R2=0.9316であったが2次多項式近似では決定係数R2=0.9946と十分な値を示した。


BACK HOME